「祈願成就」霜月透子著
「祈願成就」霜月透子著
35歳の実希子の恋人・徹は幼馴染み。横浜郊外の新興住宅地で育った2人は、同学年の絵里と健二、郁美と「秘密基地」と呼ぶ雑木林で毎日一緒に過ごした。しかし、中学になると関係は薄れた。徹とは5年前に再会し、交際が始まったのだ。
その夜、徹からプロポーズされたことを伝えようと実家に電話した実希子は、郁美が亡くなったことを知る。子どもの頃、郁美はこっくりさんのような占いで友人の捜し物を見つけたり、恋の相談に乗ったりして「魔女」と呼ばれていた。幼馴染みの4人の願い事をかなえるため、彼女が秘密基地である儀式を行ったこともある。郁美の死後、実希子ら4人は原因不明の災厄や事故に巻き込まれていく。
20年の歳月を経て無邪気な遊びに潜んでいた罠が動き出す長編ホラー。 (新潮社 693円)