「猫を救うのは誰か」太田匡彦著
「猫を救うのは誰か」太田匡彦著
空前の猫ブームで、その経済効果は約2.5兆円にも上り、「ネコノミクス」なる造語まで生まれた。猫は拾ったり、もらったりするのが当たり前だったが、今ではペットショップで購入するものになりつつあり、業界は活況を呈している。
かつての犬と同じように、工場化した繁殖業者(ブリーダー)による大量生産→ペットオークション(競り市)による量と品ぞろえを満たした安定供給→流通・小売業者(ペットショップ)による大量販売というビジネスモデルに猫も乗せられてしまったのだ。
猫に照明を当てることで発情を促し子猫を「増産」したり、遺伝性疾患を抱える「病気の猫」をあえて繁殖・販売したりするなど、ブームの陰で猫や犬たちが置かれている過酷な実態を告発するリポート。
(朝日新聞出版 792円)