「あきらめません!」垣谷美雨著

公開日: 更新日:

「あきらめません!」垣谷美雨著

 共働きで、家事も育児も担い60歳で定年退職した郁子は、夫・幹夫の実家がある山陰地方の栗里市に移住する。義母が1人暮らしをしている実家の隣の家を購入し、長年の夢だった広い庭を手に入れる。

 しかし、すぐに退屈な田舎暮らしに飽きてしまった郁子は、ある日、立ち寄った図書館と同じ施設内にある市議会の議場に迷い込んでしまう。そこで目にしたのは、登壇中の女性市議に女性蔑視のヤジを飛ばす前時代的な年寄り議員たちの姿だった。終了後、彼らに一言も言い返せない女性市議につい小言を言うと、その姿を見ていた老齢の女性市議・ミサオに声をかけられる。

 引退するミサオに代わって選挙に出ることになった郁子の奮闘を描きながら、日本の現状をぶった斬る痛快選挙小説。

(講談社 869円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中日・井上新監督が抱える「中田翔」というジレンマ…復活に期待も世代交代の障害になりかねない

  2. 2

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  3. 3

    佐々木麟太郎の注目度・待遇はメジャー級 “大谷の母校の監督の息子”で試合運営側が忖度も?

  4. 4

    百田尚樹代表《終わったら全部言う!》宣言 日本保守党3議席獲得で飯山陽氏との“暗闘”どうなる?

  5. 5

    自民・小泉進次郎氏は「選対委員長辞任」でさっさとトンズラ…選挙期間中の“食レポ”にも批判が殺到

  1. 6

    国民民主の躍進予想に水差す醜聞…千葉5区出馬の新人・岡野純子候補に「政治とカネ」疑惑

  2. 7

    年収5000万円もありながら“2つの病”に勝てなかったジャンポケ斉藤慎二の転落

  3. 8

    伊藤美誠がパリ五輪シングルス代表絶望で号泣…中国も恐れた「大魔王」はなぜ転落したのか

  4. 9

    共産党は“裏金スクープ連発”で自民惨敗させるも議席減…強まる《政党名変えたら?》に党の見解は

  5. 10

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」