「やさしい日本語ってなんだろう」岩田一成著
「やさしい日本語ってなんだろう」岩田一成著
「やさしい日本語」とは相手に合わせて分かりやすく伝える日本語のことで、主に外国人を対象にしている。たとえば電車内で乗務員から「乗車券を拝見いたします」と話しかけられた外国人がいた場合、「(自分の切符か電子マネーのカードを見せながら)切符はありますか?」と言い換えて伝えてあげる。
阪神・淡路大震災を機に緊急事態におけるコミュニケーション手段としてやさしい日本語の開発・普及が始まり、現在は在日外国人の増加や社会の多国籍化が進む中、平常時のコミュニケーションとして各所で取り入れる動きが始まっている。
その推進運動に携わってきた著者が、実例を紹介しながら、やさしい日本語の普及を妨げている原因についても考察したテキスト。
(筑摩書房 946円)