「とと姉ちゃん」に再登場 “綾サン”阿部純子の意外な過去
戦争の描き方が陳腐といった不満の声をかき消すかのように、第14週のNHK朝ドラ「とと姉ちゃん」に再登板した女優が抜群の存在感を発揮している。常子(高畑充希)の女学校時代の親友・中田綾サンを演じる阿部純子(23)だ。
4週目の初登場以来、実に2カ月半ぶり。常子の追試の勉強に救いの手を差し伸べた名家の聡明な令嬢だったが、今回も主人公の人生に大きな影響を与える。夫が戦死し、実母と息子を抱える未亡人となった綾サンの姿に触発され、とと姉ちゃんは女性向けの新雑誌の創刊を決意するからだ。
綾サンのモデルは実在し、大橋鎮子女史の東京府立第六高等女学校(現・都立三田高)時代の学友だった人物で、のちに「美しい暮しの手帖」の編集にも携わった中野家子さん。阿部自身も地元・大阪の名門校「北野高校」出身で現役の慶大生だが、幼少期から優等生だったという。阪急百貨店の広告モデルやティーン誌のモデルを経て、広く知られる存在になったのは、河瀬直美監督のカンヌ出品作「2つ目の窓」(14年)のヒロイン役。それにしても“2つ目”の女優と阿部が、同一人物だったとは……。見た目と雰囲気がまるで違うし、映画出演時は「吉永淳」という芸名だったからだ。