教育評論家・阿部進さんが死去…「現代っ子」の生みの親
“カバゴン”の愛称で広く親しまれ、「現代っ子」の造語でも知られる教育評論家の阿部進(あべ すすむ)さんが10日午前3時38分、胃がんのため死去した。87歳。通夜・葬儀は近親者で行う。喪主は長男・昌浩(まさひろ)さん。
阿部さんは1950年、川崎市内の小学校の代用教員に採用され、61年に著した「現代子ども気質」、62年の「現代っ子採点法」が現職教諭の提言として注目を浴びた。
65年の退職後は教育評論家に。テレビ出演が増え、その一方で手塚治虫、寺山修司らと「現代子どもセンター」を設立。漫画雑誌ブームの折には、漫画害悪論に対して手塚らと異議を唱えた。
また、テレビ番組の公募で選ばれた“カバゴン”の愛称で知られ、TBSラジオ系で放送され子供達に大人気だった「全国こども電話相談室」のレギュラー解答者になり、説明がわかりやすいと評判だった。その後も私塾を開くなど、逝去直前まで教育現場に携わった。
日刊ゲンダイでは、連載「児島美ゆき ハレンチ学園とその時代」第6回(7月14日号)で<超売れっ子の教育評論家が毎回番組に出てくれたワケ>と題して、阿部さんが当時の常識論に立ち向かった理由を明らかにしたほか、亡くなられる前日の8月9日発売号「あの人は今こうしている」コーナーで阿部さんの近況を紹介した。マスコミ取材は、弊紙のインタビューが最後となった。