赤字覚悟で海外挑戦 桂小春団治“日本語で上方落語”の労苦

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 2000年から海外で落語公演を行っている桂小春団治師匠(60)。英語で落語を行うのではなく、日本語で噺をして英語の字幕をビデオプロジェクターで高座の後ろのスクリーンにタイミングよく映し出す手法を開発し、間や三味線などのハメものを含めた上方落語そのままを披露。好評を得たものの、当然ながらカネがかかる……。

 ◇  ◇  ◇

「英語落語ではなく、日本語の上方落語をそのまま海外で」と思い立ったのは、英スコットランドのエディンバラで毎年8月に行われている世界最大の芸術祭「エディンバラフェスティバル」に参加したいと思ったのがきっかけ。

 それには「エディンバラ国際フェスティバル」と「エディンバラフェスティバル・フリンジ」があって、前者はオペラとかバレエといったものが招待される大きな公演。後者の「フリンジ」は芝居とかパフォーマンスとか。そういうのがあると99年にたまたま教えてもらって、「面白そうや!」と思ったわけです。

 それまで英語落語もやってたけど、よく考えたら、たとえば本場のシェークスピア劇がイギリスからやってきた時、日本語でやられても本場のシェークスピア劇を見たのと違うんちゃうかなと思ったんです。

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