作曲家・都倉俊一さんの流儀 「オンザロックで最終確認」

公開日: 更新日:

 その頃は広尾に自宅兼スタジオを持っていて六本木にはCBSソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)、フォノグラム(現ユニバーサル・ミュージック)、ワーナーブラザーズ・パイオニア(現ワーナーミュージック・ジャパン)の本社がありました。それにレコーディングスタジオ、芸能プロダクションもあちこちに点在していて、みんな都合よかったんです。

■譜面が9割5分仕上がったところでオンザロック

 行きつけは六本木の交差点そばにあった「ヒエン」、麻布十番で今も営業してる「三幸園」。両方とも焼き肉店でみんなでワッと行って1人2、3人前のお肉を頼み、長居しないで帰る。いてもせいぜい1時間。翌朝9時には次の仕事が待ってますから。

 その時のビールは至福のひと時です。当時はレコードがたくさん売れてた時代。とくに担当したアイドルのイニシャル(新譜の初回出荷数)が数十万枚ってザラでした。だから翌朝一番からレコードのプレス工場はラインを空けて待ってるからね。ミスで延期なんてできません。


 胃がキリキリするほどレコーディングに集中し、そのプレッシャーから解放された直後に飲むんだもの、おいしくないはずがない。もちろん若かったからできたことで、古希を迎えた今、徹夜して焼き肉にビールなんて到底、無理だけど。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷に懸念される「エポックメーキングの反動」…イチロー、カブレラもポストシーズンで苦しんだ

  2. 2

    阿部巨人V奪還を手繰り寄せる“陰の仕事人” ファームで投手を「魔改造」、エース戸郷も菅野も心酔中

  3. 3

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  4. 4

    吉村知事の肝いり「空飛ぶクルマ」商用運航“完全消滅”…大阪万博いよいよ見どころなし

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  2. 7

    大谷ファンの審判は数多い あいさつ欠かさず、塁上での談笑や握手で懐柔されている

  3. 8

    小泉進次郎の“麻生詣で”にSNSでは落胆の声が急拡散…「古い自民党と決別する」はどうなった?

  4. 9

    ドジャース地区連覇なら大谷は「強制休養」の可能性…個人記録より“チーム世界一”が最優先

  5. 10

    ドジャース地区V逸なら大谷が“戦犯”扱いに…「50-50」達成の裏で気になるデータ