「志らく兄さんは落研の同級生。本名で呼び合ってました」
柳家喬太郎こと小原正也は、高校時代から演劇が大好きだった。
「すごく好みが偏ってまして、つかこうへい劇団の芝居だけ追っかけて見てました。少ないお小遣いを貯めてチケットを買ってね。落語家になってしばらくブランクがありましたが、二つ目になってまた追っかけを再開しました。だから風間杜夫さんと初めて落語会で共演した時は夢のようでした」
長年にわたり、つかこうへい劇団の看板役者だった風間杜夫は大の落語好きで、自分でも落語を演じ、定期的に落語会を開いている。その助演に喬太郎がレギュラーで出ている。
「風間さんが落語好きというだけでもうれしいのに、横浜にぎわい座の舞台で落語の共演ができたんですから感慨無量です。落語家になってよかったとつくづく思いました」
■志らく兄さんとは落研の同級生
小原青年は日大商学部に進学すると、劇団ではなく落語研究会に入部した。
「演劇と同じくらい落語も好きでしたから。芸術学部の落研にいた志らく兄さんとは同級生で、年1回オール日大の落語会があって、その実行委員会で顔を合わせてました。当時は『新間君』と『小原君』と本名で呼び合ってました。彼が大学を中退して談志師匠に弟子入りしたと知った時は、仲間内で、『新間君を応援しなきゃな』と言ってたものです」