“飛び道具”はもう使えない 新元号の紅白に早くも不安材料
大みそかの第69回NHK紅白歌合戦は、夜9時からの第2部で視聴率が41.5%(関西地区は40.5%。ビデオリサーチ調べ)と2年ぶりに大台を突破した。
サザンオールスターズの35年ぶりのNHKホール登場で、桑田佳祐(62)が熱唱中のステージに大御所の北島三郎(82)と“ユーミン”松任谷由実(64)もあがり、ユーミンが桑田の頬にキスするハプニングも。その熱気は画面越しにも十分に伝わってきた。だが、古参のレコード会社スタッフからはこんな声も聞こえてくる。
「特別枠とベテラン勢のおかげで辛うじてメンツを保っただけ。そのベテランたちも聖子といいユーミンといい北島さんといい、往年の歌唱力には程遠く、痛々しくもあった」
毎年、視聴率のガクンと落ちる五木ひろしには、バックでDA PUMPを登場させ、三山ひろしはけん玉のギネス記録に挑戦。何とか歌以外で興味を持たせようとしていたけれど、歌や歌手自体にパワーがあれば、こんな小手先の演出は必要ないのである。
そもそも、出場歌手を「紅」と「白」に分け、男女対抗で「歌合戦」する番組としては、もはや成立していない。出場歌手の発表後に追加発表があり、それがNHKホール以外の別の場所からの中継であったり紅でも白でもない特別枠であったりするのだから、ある民放関係者が「中身はテレビ東京系の『年忘れにっぽんの歌』とほぼ一緒。大みそか歌謡ショーに変更したほうが、番組内容をよく伝えている」と言うのもうなずける話である。