森進一「襟裳岬」<前>思いつきの企画でセールス100万枚超
そしてもう1曲――当時はA面・B面と2曲必要だった――書き下ろしてもらったのが「世捨人唄」。この2つの歌詞を拓郎さんに送って、曲をつけてもらったわけです。
で、出来上がってきたデモテープを聴いてみると、「世捨人唄」の方は森進一用に歌詞を書き下ろしてもらっているから、いかにも演歌っぽい仕上がりで、ある意味、納得。
ところが「襟裳岬」の方は、ものすごくテンポが速い。さらに「北のォ、街ではァ、もぅォ」と、語尾の母音を強調する拓郎節になっちゃってる。もともとの詩が長いので、間を詰めるためにもそうしたのでしょうが、これじゃ森進一の良さが出ない。そこで私がとった策は――。 =次回へつづく
(聞き手・いからしひろき)