食事にもこだわり 楠瀬誠志郎さんが描く理想のコンサート
パスタ好きはイタリアによく行っていた音楽家の父の影響かな。実家でよく食べていたのはバターと海苔だけのシンプルなものでしたが、ライブで出したいのは数年前にシチリアのタオルミーナで食べたイワシのパスタです。父の伴奏をしていたピアニストの息子さんがシチリアに音楽留学していてボクもタオルミーナに出掛けました。
その時のイタリア旅行はそれだけを食べにイタリアへ行ったと言っても過言ではありません。シチリアは港町だから、イワシがうまいのは当然なのかもしれないけど、あれは絶品。行っている間中毎日食べていました。これと甘くてスッキリしたリモンチェッロがよく合う。
そんなボクにとって理想の食べ物を出して、好きな音楽をやる。場所はやはりタオルミーナのビーチサイド。音楽は厳選するならば、手前味噌ですが、ボクのヒット曲「ほっとけないよ」「Crying In The Sun」「Party’s over」の3曲。夕日を眺めながら聴いたら最高だと思います。
もうひとつ、憧れは大勢の人の前で厳かな雰囲気の中で国歌斉唱をすることです。弟がサッカー選手だったので(2015年から18年までU―17サッカー日本女子代表監督を務めた楠瀬直木氏)、国際試合の前に、国歌斉唱するのを見ていいなと思いました。改めて考えると世界の中でこんなに難しい旋律の国家はないと思います。これから戦いに行くぞといった勇ましい国歌もあるけど、君が代は世界でも珍しい空間を漂うような旋律です。かなうなら新しくできる新国立競技場で「君が代」を歌ってみたい。