退屈という地獄を経て「松本まりか」が手にした大人の顔
松本まりかは15歳の頃、原宿を歩いているときにスカウトされ、2000年に「六番目の小夜子」(NHK)で女優デビュー。ネクストブレーク間違いなしと注目を浴び、コンスタントに役をもらえていたが、満足のいく結果を残すことができなかった。
その頃は「自分のことを見たくなくて、長いこと逃げていた」(読売新聞「OTEKOMACHI〈大手小町〉」18年10月25日)という。
「自分の居場所がなく、自分で自分のことを認めることができなかったんです。“絶望”という言葉が何度、頭の中をめぐったかわかりません」(同前)
このままじゃダメだと、デビューから10年が経った2010年から1年間ロンドンに留学した。
帰国後、小劇場と出合い、小さな舞台に積極的に出るようになった。そのうちのひとつが、山内ケンジ主宰の「城山羊の会」。映画のようにささやくようなセリフの応酬が衝撃的だったという。この劇団に出演したときの芝居をプロデューサーが見たことがきっかけで、「ホリデイラブ」の出演が決まった。やっと自分の居場所を見つけて、スタートラインに立てたと感じたという。