志村けんが突き詰めた“下ネタ”の清々しさ…PTAを黙らせた
■「スケベおやじ」にならなかったのは?
エロを自虐化した斬新さ。単なるスケベなおやじで終わることなく、エロを突き抜けさせたことにより、エロを笑いに昇華させ、女性にも受け入れやすくしたのは、志村けんさんだからこそ、なせる業だったのではないだろうか。
その根底には志村さんが根っからの女性好きだったことがあると考えられる。いしのようこ(52)、優香(39)といった数多くの女性タレントたちと浮名を流した志村さん。70歳近くになっても1回りも2回りも年下の女性と共に、夜な夜な、街に繰り出したのは有名な話だし、大のガールズバー好きでも知られていた。
女性が大好きで、女性との距離を縮めるためにどうすればいいか思案を巡らせたのだろう。ドストレートであるがゆえ、思わず笑ってしまう“ソフトスケベ”で女性の懐にうまく入っていった。
女性好きが高じて、生まれたドストレートな自虐的な下ネタギャグ。それはブラウン管を通しお茶の間に届けられたが、PTAの逆鱗に触れ、「低俗なギャクを連発する志村けん」というレッテルを貼られた。しかし、それにめげず、下ネタギャグ街道を突き進み、次から次へと新しい下ネタを生み出していった。そうすると、いつしか、クレームを言う人はいなくなり、志村さんなら仕方ないという空気が生まれていったのだ。