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高倉文紀美少女・女優評論家

札幌市生まれ。女優評論家。Webサイト「タレントパワーランキング」(アーキテクト=https://tpranking.com/)、雑誌「日経エンタテインメント!」(日経BP社)などで女優や女性アイドルなどの取材・分析を手がける。映画パンフレット、芸能プロダクション・企業向け分析リポートの執筆も担当。note個人クリエーターページ(https://note.com/tokyodiorama/)。

石井杏奈は清涼感あるビジュアルながら難役をこなす技巧派

公開日: 更新日:

 清涼感のある美形のビジュアルでありながら、クセのある役を演じることが多い。

 演技力があるので、難しい役を彼女に演じさせたくなるのだろう。新木優子西野七瀬清原果耶が水彩画で描いたような透明感を秘めた女優だとすれば、石井杏奈は油絵で描いたような、「渇いた演技」を見せる。同じように渇いた演技を見せる女優としては、門脇麦伊藤沙莉小松菜奈杉咲花が挙げられる。

 クールな役を演じているときの大人っぽいイメージとは違って、素顔の彼女はあどけなさが残っていて、10代のころから年齢よりも若く見えた。だからこそ、22歳になった今、「記憶の技法」で17歳の役を演じても自然と高校生に見える。

 彼女がリアル10代だったころにインタビューしたときには、「ちょっと、せっかちな性格かも。小さい子の面倒を見るのが好きです」(雑誌「girls!」36号)と、はにかみながら語っていたことが印象に残っている。

 クセのある役を演じるのがうまい女優だが、彼女自身は、笑顔が魅力的で、クセがない素直な女性。そのギャップが石井杏奈の魅力だ。これからも、記憶に残る女優として、彼女にしか出せない味わいのある演技を見せてくれるだろう。

(つづく)

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