「いいとも」P死去 佐藤義和さんとタモリのとっておきの話

公開日: 更新日:

1カ月毎晩一緒にいて、ようやく…

 ある日タモリからフジテレビに電話がかかってきた。「何してるの? ちょっと飲まない?」と言われ、タモリ行きつけの青山のバーに出かけて行った。

 ところが、タモリは佐藤さんとは一言もしゃべらず、ママと世間話ばかりしている。その日はポカンとしたまま帰宅した。しかし、翌日もその翌日も、タモリに同じ店に呼び出されるが、やはり何も話さない。「それが毎晩ですよ、不思議でした」と佐藤さん。

 1カ月たった日、バーから出て車に乗り込む際、タモリから声をかけられた。

「サトちゃん、番組の改革、成功したね」

 佐藤さんが言う。

「1カ月、毎晩一緒にいて、やっとその一言だけくれたんです。後で考えると、タモリさんは信用できる人間か1カ月ずっと観察してたみたい。今となっては酒席のいい思い出です」

 佐藤さんが担当したのはたけし、さんま、タモリのお笑いご三家の他にもダウンタウン、ウッチャンナンチャンら、そうそうたるタレントだった。頭髪が薄いことから「ゲーハー佐藤」と親しまれ、フジの「楽しくなければテレビじゃない」のキャッチフレーズを身をもって実践した人だった。

 宮城県出身。05年に早期退職して沖縄に移住。フリーで活動したが、闘病もあってか昨年、現役引退宣言をしていた。

(峯田淳/日刊ゲンダイ)

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