おかもとまりは加害者と対面 いまや匿名性は“幻想”である
つまるところ、匿名性の幻想のなかでは誰もが炎上加害者となりえるし、逆に誰もがまた炎上被害者ともなるのだ。
コロナ禍にあって、ストレスのはけ口をネットに向けている例も少なくない。だが、匿名性は幻想である。手続きを踏んで情報開示を行えば、時間はかかっても必ず実名を含む個人情報は明らかになる。実際、弁護士の助力のもと、一般人が炎上加害者を裁判で訴えるケースも報じられることが増えている。
炎上をさせる動機として、「(加害者の)自身へのゆとりのなさや自信のなさ、相手と比べてしまうということが要因になると感じた」と、前述のおかもとは振り返っていたが、そのとおりだろう。分断、不寛容が指摘され、幸福を感じにくい世の中だからこそ、日常のコミュニケーションぐらいは優しさや寛容に寄り添うべきではないか。
携帯電話からスマートフォンに進化し、常に高速・大容量のネットが手元にある状態が続いているとはいえ、ネットは誰かのストレス解消法として用意されているものではない。道に唾を吐くように炎上に加担し、罵詈雑言、流言飛語を書き込めば、その代償を払わされるハメになると心したい。 (おわり)