深夜の「30分ドラマ」連発 一歩先を行くテレビ東京の狙い

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「GP(ゴールデン・プライム)帯は他局の番組も強力ですから、そこにぶつけたら、さすがに視聴率的には見劣りするでしょう。『やっぱりテレ東は蚊帳の外か』と言われて、CM営業の足を引っ張ることにもなりかねない。でも、深夜30分ドラマは視聴率ではなく、TVerの再生を狙ったものなんです。若者はテレビは見ないが、パソコンやスマホは始終いじっています。深夜に見てくれなくても、退屈しているときや電車の中でTVerで見てくれればいいんです。そうやって見るには、30分というのは短すぎず長すぎずでちょうどいい。TVerの再生数が多ければ若者に見られているということですから、CMスポンサーにも好印象でしょうね」(テレビウオッチャー)

 TVerは地上波のドラマやバラエティーなどが、放送から約7日間、パソコンやスマホでいつでもどこででも無料見放題だが、1500万人近くが利用していて、新型コロナウイルスによる巣ごもりもあって急拡大中である。視聴の中心は10代から30代の女性たちなので、だからテレ東の30分ドラマも、B級グルメや女子高生ものが多い。


 テレ東の名物プロデューサー・佐久間宣行によると、「局によっては、TVerの回転数やランキングを張り出しているところもあるし、TVerの何位だとどのくらいの回転数ですよというのが、最近は視聴率と同じように(番組制作現場に)送られてくるようになっている」(NHK「あたらしいテレビ2021」)とのこと。

 中高年層はリビングでリアルタイム視聴、若者層は好きなとき好きなところでTVerというのが、これからのテレビ風景になりそうだ。

(コラムニスト・海原かみな)

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