フジ「イチケイ」と酷似 弾劾訴追された仙台高裁のカラス
俳優・竹野内豊(50)演じる裁判官の入間みちおが「職権を発動します!」と叫び、裁判所主導で現場検証などの独自捜査を行う姿が注目を集めたフジテレビ系連続ドラマ「イチケイのカラス」(浅見理都原作・講談社)。
「裁判所の職権発動って、実際は頻繁にはないよね?」「検察官と裁判官はあんなに近しい関係だったの?」――。視聴者は、虚実ない交ぜのストーリー展開に疑問を抱きつつも、「真実・真相」を追い求めながら、裁判官の人事権を握る最高裁事務総局とも対決姿勢を鮮明にする「東京地方裁判所第3支部第1刑事部」(通称イチケイ)の入間(竹野内)に共感を覚えたのだろう。14日に放送された最終第11話の平均視聴率(世帯)は13.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するヒット作となった。
現実の刑事裁判で、入間のような「正義の裁判官」ばかりであれば、「起訴後有罪率99%」の問題や、判決内容が二転三転する原発訴訟のようなことは起きないだろうが、それ以上に難しいのはドラマのように単なる「一裁判官」が最高裁事務総局の方針に逆らうことだ。