著者のコラム一覧
大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

洋画不振が止まらない!つまらない予告編にも要因があるのでは?

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 加えて、往年の洋画ファンの中核を担ったであろう比較的年齢の高い層がコロナ禍以降では、映画館を控えていたなど、いろいろある。

 ここでは一つに絞る。マーケティングである。要は宣伝だ。少し前まで、洋画宣伝は派手だった。単純に宣伝費が非常に高かった。テレビスポット、アド展開、俳優の来日キャンペーン、各種イベントなど、スケールの大きな宣伝展開によって、作品が知れ渡った。今はどうだろうか。

 まずもって、宣伝費がかなり抑えられている。海外の俳優も来ない。パブリシティーの露出も少ない。ネット、SNSなど、情報伝達のツールは変ってきたが、情報量そのものが減っている印象が強い。これでは不特定多数の人たちに、洋画の情報は行き渡らない。

 映画興行の指針の一つとして、予告編の効果がよくいわれる。これは、すぐにわかることだ。予告編は恒常的に映画館に足を運び、映画に関心をもっている人に向けての映像だ。面白い予告編を見たとなれば、再び映画を見ようと思う人もいるだろう。いわば、循環性だ。今も厳然とある予告編の中身、効用は、宣伝費や情報露出の減少を余儀なくされる流れとは別に、一度、じっくり検討すべきではないだろうか。

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