<6>「収穫したお米は『談志米』と名付けて贈答品に」
くしくも、11月21日は立川談志の命日であった。談志に可愛がられた仲に、思い出を語ってもらおう。
仲「師匠は新潟県の岩室に田んぼを持ってまして、毎年田植えと稲刈りに行ってました。僕と兄さん(菅)もよくお手伝いに伺って、一緒に農作業をしたのがいい思い出です。師匠は最初にちょっとだけやって、あとは地元の人に任せて見てる。作業が終わると宴会です。そこで師匠の雑談を聞くのが楽しみなんです。哲学的な人生観から政治ネタ、小噺までやってくれる。それも2時間以上。地元の皆さんはそれが楽しみでお手伝いに来てたんです」
菅「講演がタダで聞けるようなもんだよね」
仲「収穫したお米は『談志米』と名付けて贈答品にしてました」
私も毎年「談志米」を頂戴していた。がんを患ってから届かなくなり、寂しい思いをしたものだ。
仲は芸人になって以来の北区の住民で、北区文化振興財団とは古い付き合いである。その縁で、王子の北とぴあ・さくらホールにおいて、毎年自らプロデュースする会を開いている。その「ナカハチの会」に、談志は何度もゲスト出演した。