著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<172>「早貴被告に海外に行かれたら和歌山県警は難しいことになります」

公開日: 更新日:

「……それは忘れましたが、私の勘では逮捕はすぐ近くまできているという感触です。早貴もそう思っているみたいです」

 電話の向こうの相手は覚醒剤となんらかの関係がある者である可能性があるのではないかと、ふと感じた。

「早貴は今、品川の高層マンションに住んでいます。新宿から3回引っ越しをしています。品川の前は町田でした。ドン・ファンの持っていた車(ベンツ)は今使っていません。売ったのか誰かのところに預けているのかは分かりません」

「このことを書けばキミと早貴とのパイプがなくなるだろ? それでいいの?」

「構いません。私のことをうまく書いてもらって結構です」

「でも掲載するとしたら事前にキミと相談しないとね。だから電話がほしいんだよ」

「私の身元を明らかにすることはできません。でも早貴が海外逃亡するのは絶対に阻止させたいんです」

「オレのことを早貴はなんと言っていた?」

「なんで私の情報が(吉田さんのところに)漏れるんだろう? と怒っていました」

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