著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<175>何か不都合なことが? 破産申立人かどうかを答えない田辺市

公開日: 更新日:

■なぜ行政が?

 そもそもなぜ田辺市は、今この時点でアプリコを倒産させなければならないのか。遺言無効で係争しているのだから裁判所の判決を待ってからでも遅くないはずだ。

 田辺市は遺産を取得することに躍起になっているが、このことについて遺族は、「遺産が欲しかったら幸助の墓参りぐらいしたらいいんじゃないですか? 幸助の位牌を置いている自宅のカギも田辺市が持っていて、お盆にはお参りさせて欲しいと言っても、ニベもなく断ってくるんですから、情のかけらも感じられません」。

 遺産は欲しいがドン・ファンを敬うことはしない。田辺市のやっていることは、まさにそういうことではないだろうか。

 遺産取得の決め手となる遺言書の筆跡鑑定は、裁判の原告と被告のそれぞれが鑑定人に依頼する流れになっているが、鑑定士側が「依頼人が有利になる鑑定ができない」と判断した時は断ることもある。

 今回の場合、ドン・ファンの遺族である原告側は鑑定士に依頼して筆跡鑑定を行い、21年の冬前までに3通もの鑑定書を裁判所に提出している。1通で十分だが、後述するが増やしたためだ。ところが田辺市側は鑑定書を提出するかどうかの態度をなかなか鮮明にしなかった。そのため一部のメディアでは「もしかして田辺市は依頼しようとした鑑定士に断られているのではないか」との見方も出てきたようだ。

 田辺市は19年9月に「遺言書は本物である」として遺産の受け取りを表明したのに、その本物の裏付けを筆跡鑑定ではなく遺言が書かれた状況を説明する戦法を取っていたようなのだ。 =つづく

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  2. 2

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘

  3. 3

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  4. 4

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  5. 5

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  1. 6

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  2. 7

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 8

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  4. 9

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット