ずっと心に残る殿の言葉「芸能人に定年はないけど定年にこだわる俺」
そんなある日の殿(ビートたけし)との会話でした。
「芸能界っていいですね!人気者になってお金もらえて新幹線代や飛行機代にホテルや食事まで用意してもらえるんですから!! 俺、この世界で仕事ができてよかったです!!」と気軽に発した言葉に対し殿が「バカ野郎(といっても決して怒った口調ではありませんでした)高校や大学出たサラリーマンは都内に家は高価で買えないから茨城あたりに35年ローンのマイホーム買って、朝5時起きで満員電車に揺られ上司や営業先に気を使い、それを60歳の『定年』まで40年間続けて……それを『仕事をした』というんだよ!! やり終えて『仕事』なんだよ!! 気安く仕事なんて言うんじゃねーよ!」と話してくれたのです。
あの日から俺の頭の片隅にはその言葉「定年まで働いて仕事」がこびりついているのです。
もちろん最初にも述べたように定年の年齢だから引退する気は一向にありませんが、俺はあの時の殿の言葉を胸に定年までやってきたのか。いやいや定年はまだこの先なのか、妙にモヤモヤした気分なのです。