渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる
■“努力が報われない”時代
心理学者の富田隆氏はこう分析する。
「日々のルーティンを欠かさない、きちんとした人だからこそ、体の衰えも痛感する。また毎日ルーティンを守れる人は案外、投資を含めたギャンブルにハマりやすく、失敗すると自分を責めて、妄想にとりつかれやすいところがあります。渡辺さんはテレビの絶頂期に多忙を極めた方だけに俳優業がうまくいかないと無力感が募り、そこに初老のうつが重なり、衝動に駆られたのでは。コロナ禍になって、マスク生活を2年以上続けても収束せず、経済も先が見えず“努力が報われない”時代が続いています。渡辺さんだけでなく、日本中が我慢を強いられ、真面目な人ほど無力感が募り、うつになりやすい環境なのです」
葬儀・告別式は10日、横浜市内の寺で密葬として営まれた。妻の原日出子さん(62)は「『何故…』は、きっと誰にもわからないと思います」「今は全ての悲しみから解放され、自由になれたのだろうと信じたいです。渡辺は、信じられないほど綺麗で、安らかな顔で旅立ちました。それだけが私たちの救いです」とコメントを発表した。マジメでストイックがゆえの悲劇だったのか──。