著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

ライセンスの“宿題”の出来栄えに「絶対残って行ける!」と確信

公開日: 更新日:

 NSC生にも同じ宿題を出していましたが、その時のライセンスのネタが秀逸。「初めて携帯電話を見た人」というコントで、全く無関係の2人が上手・下手から歩いてくると中央に放置されている携帯電話に気づいて「なんだろう?」と興味津々で近寄ると、いきなりバイブでゴトゴトと携帯が動き出し、びっくりした2人がいったんはその場を離れながらも、また気になって戻ってくるという話でしたが、設定、描写、声、表情、知らない2人の距離の縮まり方、そしてその演技力がそれは見事でした。「NSCでも同じ課題を出されていると聞いて、絶対負けたくないと思って燃えて作りました」と言っていましたが、ダントツの出来栄えでした。

 その後、卒業して吉本のオーディションを受けて合格。以降は、舞台にテレビにライブに大活躍をしていきました。たまに劇場で会うと、「ネタ見て下さい」と頼まれて舞台袖で見て、終わったら「ダメ出しお願いします」と、それは真剣に私の話に耳を傾けてくれます。

 この姿勢はデビュー当時から全く変わりません。

 昨年はコロナ禍を縫って「25周年!ライセンス漫才トークツアー」を敢行。今年も8月14日の福岡公演から「ライセンス漫才ツアー2022」を行う予定です。アイドル的存在から、それぞれが家庭を持ち、いい意味でとがったモノが丸くなり、今の年代だからできるネタに真摯に取り組んでいるライセンス。

 26年とはいえ、まだまだ発展途上です。伸びしろは十分にあります。個人の活動も増えていますが、これからも新しい一面を随所にのぞかせながら楽しい、温かい笑いをつくっていってくれることでしょう。

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