自ら「出して欲しい」とお願いし…誕生日を芝居の稽古場で迎える事ができる幸せ
私事で申し訳ないが、10月19日で67歳になった。家の近所の掲示板に「高齢者向けサービス、無料お茶会」という貼り紙があり、参加資格は65歳以上とあった。つまりもうとっくに、まごうことなき高齢者なのである。
一年中芝居をしている私にとっては、誕生日の祝いはほとんど稽古場だ。今回も「good morning No5」という劇団で稽古中だった。
若い劇団だが、私から「出して欲しい」とお願いしたのだ。
それまでは出たい芝居があっても劇作家や演出家にそれを頼むのはとても恥ずかしいことだと思っていた。しかし60歳を過ぎてから考えが変わった。もうあとどれぐらい体が動くかわからない。出たければ正直に言うことにしたのだ。
gmn5は作演出の澤田育子と藤田記子という2人の女優のユニットで、今回で15周年になる。過激でエキセントリックな芝居をPOPな演出で見せるサービス精神旺盛なイケイケ演劇だ。
観客が携帯電話は鳴らしても平気、逆にクラッカーを配布して劇中好きな所で鳴らしてもいいという参加型の芝居で、エンターテインメントに徹している。しかし見た目の派手さや笑いの中に、深い戯曲の芯があり、テーマは重い。