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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

歴史を動かした? かが屋が手にした分け隔てないコント愛と泥臭さ

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 類いまれなコント愛で生み出したコントは程なく注目され、「お笑い第7世代」を代表するコント師として引っ張りだこになった。だが、2020年8月、寝れない日が続き、病院で脳波を見てもらったところ「すぐ休んでください」と言われ、休養した。その間、賀屋は「かが屋」が埋没しないように、それまでしなかった一発ギャグを積極的に披露するなど、もがきながら泥くさく笑いを取っていた。

 翌年3月5日に自身のユーチューブチャンネルで復帰を果たした加賀は「幸せーーー! どんだけお笑いやりたかったか!」と叫んだ。かが屋のコントといえばスマートなイメージだが、それが最近は少し変わりつつある。きっかけのひとつが「ぴったり にちようチャップリン」(テレビ東京系)で、吉本のお笑いコンビ「5GAP」のコテコテのキャラクターコントをカバーしたことだという。

「嘘みたいに楽しくて。全身タイツで変顔で出てくるのが楽しすぎて、アドレナリンが出まくって。ネタを書いてる時に5GAPさんの見てる景色が、だんだんわかってくるというか」(テレビ朝日系「見取り図じゃん」22年11月28日)

 今年の「キングオブコント」(TBS系)の決勝ネタも、賀屋の変顔を駆使したものだった。そこには加賀の休養中、泥くさく生きた賀屋の成長もあったのだろう。分け隔てないコント愛と泥くささを手にした2人は、これからもコントの新しい歴史をつくっていくに違いない。

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