「昔、お世話になったからなあ」って会うたびに感謝されるから恐縮しちゃう
北野武の巻
ビートたけしさんはとってもシャイな方。
「たーけちゃん」って楽屋のドアをコンコンすると、「お? 研さん」て、アタシと目を合わせないでうつむきながらブツブツしゃべってるの。シャイで寂しがり屋だから、周りには気の置けない人が必ず付いている。ガダルカナル・タカちゃんとかね。
たけちゃんてすごく勉強されているし、大変な努力家。そしていつまでも謙虚なの。たけちゃんとはアタシのコンサートの前座をやってもらったことがきっかけで出会いました。その前座の舞台があまりにも面白くて、何度もお願いして来ていただいたことを覚えています。
で、そのことをたけちゃんも覚えていて、「ナオコさんには、昔、お世話になったからなあ」って会うたびに感謝されるの。だから「そんなこと言わないでよ?」って、逆に恐縮しちゃう。だって面白くて何度も来てもらったのはこっちなんだから。
世界の北野武にそんなふうに思わせてしまって申し訳ないなあって思いますよ。でも、たけちゃんて、そういう人なのよ。舞台が面白いだけじゃない。タップダンスだってうまいでしょ。これだって努力のたまものですよ。それで前座の舞台を見たとき、この人は絶対売れると思いましたね。