志村けんさん新型コロナ死から3年…“心”の軌跡をたどり東村山で「聖地巡礼」
東村山駅前とお墓はファンの聖地に
千葉から仕事を休んで来たという26歳の女性は「志村さんが大好きで舞台にも何度も行きました。志村さんの芸人としての生き方はかっこよすぎる」と話した。近くの建築会社に勤めているという男性は、仕事の休み時間に手を合わせに来たといい、「本当、東村山にとっては偉大な人です」。また毎年、夫婦でお線香をあげに来ているという50代の女性は、「子どもの頃から本当に大好きでした」と話した。
生前、日刊ゲンダイの対談企画(「人生のトリセツ」)で故上島竜兵さんは志村さんに向かって、「師匠のお墓はファンの方がたくさん訪れる名所になるんじゃないですか」と言っていたが、まさにその通りで、“聖地”になっているようだった。
そして、東村山市内には志村さんの実家があり、実兄の志村知之さんが暮らしている。志村さんの三鷹市内の家も知之さんが相続したと報じられたが、ある週刊誌記者はこう話す。
「2匹いた犬は、元家政婦さん含め、引き取り手の元で暮らしているようです。2台あった愛車は、キャデラックはお笑い芸人の大悟が、ロールスロイスの方は一般の人が購入しました。三鷹の家は土地だけで1億円以上になるとみられますが、まだ売却や取り壊しの手続きは進んでいないようです」
三鷹市内のその家に行ってみると、3階建ての建物は雨戸はすべて閉じられ、帰ることのない主を待っていた。しかし植え込みの木はきれいに整えられており、「セキュリティーの会社が入っているようですよ」(近所の人)というから、建物の維持や手入れはされているようだった。
生前、志村さんに好きな言葉を尋ねると、「“心”って言葉が好きなんだよ。心は人に伝わるし、ずっと相手の心にも残るだろ」と話していた。
遺品や住まいは徐々になくなっていったとしても、志村さんの“心”は、これからも多くの人の心に残っていくのだろう。
(取材・文=平川隆一/日刊ゲンダイ)