高畑充希&田中圭「unknown」を第3話まで見てきて少し分かってきたこと
テレビ朝日系「unknown」が、じわじわと面白くなっている。
雑誌記者のこころ(高畑充希)と警察官の虎松(田中圭)は恋人同士。だが、こころは吸血鬼であり、虎松の父親(井浦新)は殺人犯だ。互いに秘密を抱える2人だが、そこに連続殺人事件がからんでくる。吸血鬼を連想させる凄惨な事件だ。
コメディータッチのラブファンタジーかと思いきや、サスペンスの要素もしっかり投入。そのバランスの良さと高畑・田中コンビの軽妙なやりとり、こころの父を演じる吉田鋼太郎の怪演が楽しくて、ついクセになりそうだ。
第3話まで見てきて、少し分かってきたことがある。このドラマにおける「吸血鬼」は、一種のメタファー(隠喩)なのではないだろうか。
人は未知なるもの(unknown)に遭遇すると身構えてしまうことが多い。それはヒトに対しても同様だ。たとえば人種、国籍、宗教、信条などが異なる相手と出会うと、過剰に反応したり、時には誤解したりする。
第2話では、こころの母・伊織(麻生久美子)が虎松に向かって、こんなことを言っていた。
「世の中は自分の知らないことであふれてるじゃない? それを恐れて嫌って排除しようとするのか。歩み寄って知ろうとするのか」
自分とは異なるものの象徴が吸血鬼なのだろう。このメタファーがどこまで物語を深化させるのか、注視していきたい。