映画で理解するLGBTのリアル 日本は「歌舞伎」「宝塚」で性の多様性を受け入れてきた
G7広島サミットを前に「LGBT理解増進法案」が注目を集めている。従来の超党派合意案が「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されない」としていたのに対して、自民党は「性自認」を「性同一性」に改め、「不当な差別はあってはならない」と修正した法案を国会に提出する構えだ。
焦点となるのはトランスジェンダー(T)、すなわち出生時の生物的性と自らの社会的性(ジェンダー)の認識が同じでない人々に対する理解の在り方だ。
■ハリウッドでは主要モチーフの一つに
これまで同性愛(性的指向が同性または同性異性両方:LGB)を描いた映画は、アン・リー監督「ブロークバック・マウンテン」(2006年アカデミー監督賞)やバリー・ジェンキンス監督「ムーンライト」(17年アカデミー作品賞)をはじめ多々存在し、ハリウッドでは既に主要モチーフ(主題)の一つにもなっている。
しかしトランスジェンダーに正面から向き合った作品となるとトム・フーパー監督「リリーのすべて」(15年)が筆頭だろう。