表紙にジャニーズを使い続けた「週刊朝日」の休刊は悲劇か、喜劇か?
各界の人たちに「週朝で印象に残っている記事」についてアンケートしている。多くの人が挙げるのは山藤章二の「ブラック・アングル」や篠山紀信の女子大生シリーズ、ナンシー関のコラムで、スクープらしい記事がほとんどないのが週朝らしい。
名編集長といわれた扇谷正造が、太宰治の心中相手の手記や、向井潤吉ら有名画家の表紙原画を読者プレゼントして週朝を100万部雑誌に押し上げた。そこに殴り込みをかけたのが、新潮社の週刊新潮(1956年)などの出版社系週刊誌だった。
政治家や権力者のイロとカネ・スキャンダルとメディア批判(主に朝日新聞)を柱に、“首輪のない猟犬”といわれた記者やトップ屋たちがうろつきまわり、次々にネタをくわえ込んできた。
“家に持って帰って家族みんなで楽しめる週刊誌”を標榜していた週朝をはじめとする新聞社系週刊誌は、“たかが週刊誌、読み捨て結構”の新潮、文春、現代の敵ではなかった。
私も朝日新聞から休刊について聞かれ、デジタル版に少し長めのインタビューが載っている。だが、表紙にジャニーズを使い続け、ジャニー喜多川問題を扱わないと批判した箇所。印象に残っている記事は、佐野眞一が書いた「ハシシタ 奴の本性」事件。なぜ、なす術もなく編集部は橋下徹に謝ってしまったのか、今でも理解できない。新潮の「赤報隊誤報事件」と並ぶ週刊誌最大の汚点ではないかという部分は当然ながらカット。