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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

「無茶こそ人生」 底抜けに明るいザキヤマが斜に構えていた頃

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 そのキャラ変は、相方の柴田にすら伝えられずに敢行された。山崎は突如、衣装も白シャツ、白ネクタイに変えてステージに登場すると、その口調も一変していたという。「その日に自分でおろしたんでしょうね。もう俺松本さんにはなれない、って。その前までは、ツッコミも『浜田さん意識してくれ』みたいに言われたことありますから」(同前)と柴田も証言する。

 ちなみに、衣装は「おまえはにぎやかな男だ。で、にぎやかっていったら何かっていったら、やっぱり結婚式の2次会だろうと」(フジテレビ系「人志松本の酒のツマミになる話」21年4月16日)という有田哲平の助言から変えたという。

 本来、山崎は「にぎやかな男」。それを取り戻した山崎は強かった。所属するプロダクション人力舎のライブでも、仲間たちに「からの~」と無茶ぶりを連発。同じ事務所のおぎやはぎ・矢作も「あれを経験した後にテレビに出始めた時、結構楽勝だと思った」「ザキヤマがいないと楽勝なの」(テレビ東京系「あちこちオードリー」23年8月16日)と言うほどだ。


 冒頭の山崎の「夢」を聞いた芸人たちは「ないない」と笑ってツッコんでいたが、「無茶なことがないと生活は面白くないし、あることで刺激が出る。『無茶こそ人生』」(ブロードメディア「クランクイン!」21年6月20日)と語るザキヤマなら、そんな無茶な座組の番組もあり得るんじゃないかと思わせる力が確かにある。

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