壮大なスケールと見る快感に気づかされた「VIVANT」にたった一つ欠けていたもの
17日に幕を閉じた、日曜劇場「VIVANT」(TBS系)。最終回の世帯視聴率は19.6%、全話の平均視聴率が14.26%だった(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。今期、平均4~5%台の連ドラが多かったことを思うと飛び抜けている。あらためて、このドラマを振り返ってみたい。
まず驚かされたのが、長期モンゴルロケに代表される、壮大なスケールだ。圧倒的な砂漠の風景にも見知らぬ都市の雑踏にも、珍しいものを見ることの快感があった。
次に自衛隊の秘密部隊「別班」という設定が秀逸だった。映画「007」や「ミッション:インポッシブル」などのシリーズを思わせる、ジェットコースター型の冒険スパイアクションの快感だ。
そして何より起伏に富んだストーリーがある。原作は、演出を務めた福澤克雄のオリジナル。「半沢直樹」や「下町ロケット」の八津弘幸ら複数の脚本家が参加し、ハリウッド形式のシナリオ作りが行われた。高速の物語展開。伏線に次ぐ伏線。謎が謎のまま残され、迷路を引きずり回されるような快感を覚えた。