「ジャニーズ最後の日」とダンディズムの終焉…故人たちに多くの気づきを与えられた月曜日
宇宙のどこにも見つからなくなるものかもしれない
その夜のコンサートでは、レイが残したあまやかなメロディーを、故人の名を冠した楽団が淡々と披露した。もちろん「ダバダバダ……」のスキャットで知られる映画『男と女』のテーマも。上質、されど肩の凝らないエンターテインメント。洗練の極みである。
さらには『男と女』の名匠クロード・ルルーシュ監督その人も登壇、レイとの想い出を語った。演奏中、ステージ後方のスクリーンにはジャン・ギャバン、ジャン=ポール・ベルモンド、アヌーク・エーメといった映画史に残るイイ男、イイ女たちが映し出される。なかにはいま観ると眉をひそめたくなる、白人至上主義のあらわれとしか思えない映像もあった。かつてはたしかに地上にあって、やがて宇宙のどこにも見つからなくなるものかもしれない。脳裡に「ダンディズムの終焉」という言葉が浮かんでは消える。きっと、それでいい。故人たちに多くの気づきを与えられた月曜だった。
※フランシス・レイ・オーケストラは20日に名古屋、21・22日に大阪で公演予定