記録づくしの「KOC2023」でも視聴率チョボチョボ…期待を一身に背負う“ひとり勝ち”の「M‐1」
「キングオブコント2023」(TBS系=以下KOC)で、サルゴリラが歴代最高の964点を獲得し、第16代王者となった。エントリー総数は3036組で史上最多。赤羽健壱(44)と児玉智洋(43)の合計年齢もまた最高齢で、2008年の初開催以来、最も多くの「最高」を出した。ところが、平均視聴率は世帯8.3%、個人5.6%。関西地区で世帯9.9%、個人6.7%で、記録づくしの大会も視聴率には反映されなかった(関東地区=ビデオリサーチ調べ)。
そもそもお笑い番組の中でも、コンテストは数字が奮わない。天才ピアニストが6代目女王となった昨年末の「女芸人No1決定戦“THE W”2022」(日本テレビ系)は、関東が世帯7.3%(個人4.7%)。田津原理音(30)が制したピン芸人日本一決定戦「R-1グランプリ2023」(カンテレ・フジテレビ系)は、関東が世帯5.8%(個人3・8%)で、関西が世帯9.5%(個人6.0%)。
今年新設された結成16年以上のベテラン漫才師が競う「THE SECOND~漫才トーナメント~」(フジ系)は、関東が世帯6.0%(個人3.7%)で、関西は世帯11.2%(個人7.5%)。関西では抜群の知名度のあるギャロップが優勝したものの、関西の瞬間最高視聴率は世帯13.3%で、西高東低の低空飛行だ。
関西には、生活にお笑いが密着していることはもちろん、1960年代後半に創設されて演芸の賞レースでもっとも歴史が古い「上方漫才大賞」があり、テレビで漫才を見る視聴文化も根づいている。初開催の「THE SECOND」が2ケタ視聴率となったのは、“漫才”を全面的に打ち出たこと、関西人に刺さったことも大きい。
そこで高視聴率が期待されるのが「M-1グランプリ2023」(テレビ朝日系)である。昨年の視聴率は関東が世帯17.9%(個人12.1%)で、瞬間最高は23.1%。関西は世帯が驚異の30.1%(個人21.6%)で、瞬間最高は36.8%。五輪やW杯、WBC並みの高い数字である。
「M-1」は現在2回戦が実施中で、エントリー総数は過去最多の8540組。前年より1279組も増加しており、増加幅も過去最高となった。毎年コンスタントに参加組が増加しているのは、“M-1ドリーム”も広がっている。