立岩陽一郎
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立岩陽一郎ジャーナリスト

NPOメディア「InFact」編集長、大阪芸大短期大学部教授。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て現職。日刊ゲンダイ本紙コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」はじめ、「コロナの時代を生きるためのファクトチェック」「トランプ王国の素顔」「ファクトチェックとは何か」(共著)など著書多数。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」に出演中。

「news zero」を卒業する有働由美子へのエールと 辺野古で撮った幻の“立ちリポ”エピソード

公開日: 更新日:

「なんで私がお手本見せなきゃいけないの?」

「いいから」

 ということで、有働がカメラを構えて私が「ここが辺野古の海岸です。ここから先はアメリカ軍が管理しているため、私たちは先に行けません……」と立ちリポの真似事をやった。

「じゃあ有働、やろうか」

 そして真打ち登場というわけで、われわれは有働の立ちリポを撮り、その後、投票所取材の集計をして、有働は一足先に東京に戻っていった。

 そして翌日の「ゼロ」。自ら取材した県民投票の様子を有働が語ることはなかった。もちろん、立リポも幻となった。

 さすがに心情を察して、この件を私は有働に問うていない。思い返せば、有働はこの沖縄行きを「プライベート」と言っていた。ひょっとしたら、有働は辺野古の立ちリポが幻になることがわかっていたのかもしれない。それでも私たちのためにあえて幻の立ちリポを撮ったのかもしれない。恐らくそうだろう。


 有働が「ゼロ」を辞めるとのニュースを知らせてくれたのは、このとき、沖縄に一緒に行った当時の私のコラムの担当者だ。私は少し驚いてみせたが、実際のところ、その予兆のようなものは感じていた。

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