映画『ナワリヌイ』は必見 「諦めない」と答える明朗さがせつなく、逆に救いでもある。
3月15日から3日間の日程で行われるロシア大統領選まで1ヶ月を切った。5選を狙う現職のプーチン氏の圧勝が確実視される。2020年の憲法改正で大統領任期は通算2期となったが、過去の任期をリセットするという条件も付加されたので、仮にプーチン氏が6選まで果たせば任期は2036年、83歳までロシアの頂点に君臨することになる。初めて大統領に選ばれたのは2000年、47歳のとき。その人生はまさに「皇帝」。
このような中、「プーチンが最も恐れた男」の異名を持つロシアの反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が、今月16日、シベリア北部の刑務所で死亡したことが発表された。享年47。西側諸国ではプーチン大統領の関与が断定的に論じられて抗議運動が広がっているほか、ナワリヌイ氏を追悼する動きも多く見られる。だがロシア国内で彼の死を悼むのは命がけだ。追悼の献花に訪れる市民を警察や治安部隊が24時間態勢で監視、特定するから。16日からの3日間で献花客の400人以上が拘束されたという。
当局発表ではナワリヌイ氏が死亡したのは16日午後となっているが、15日夜には刑務所に複数の車両が入り、16日午前には死亡情報が広まっていたという報道がある。死因をはじめ不可解な点は増えていくばかりで消えそうにない。