ナイツ塙宣之さんはSNSを一切やめる!が願望「ネット情報で、さも知っているかのように話すのがイヤ」
初監督は東洋館にお客さんがたくさん入ってほしいから
初監督した僕の目標は映画を見てほしいこともありますが、やっぱり東洋館にお客さんがたくさん入ってくれること。映画の力でしばらくは来てくれるとは思いますが、ずっと満員であるのは難しいと思うんです。
だから、特定の芸人さんのファンと同時に、浅草東洋館のファンが増えてほしいんです。そうしたら永続的に入ってくれるんじゃないかと。
個人的にやりたいことはデジタルデトックス。誰かがX(旧ツイッター)でこうポストしてたとか、こんな暴露したとか、そういうネットの風潮に僕自身疲れてきちゃって。
自分のことでいえば炎上した時にネットを開くと、それがイヤでも目に入ってしまう。今は少しずつネットを見ないようにしています。それからネタを探す時にネットをさぐっちゃって1日何時間もかかる。その時間にいい映画を見たり旅行に行った方が自分のネタ作りにも合ってる気がしています。
若い頃は師匠たちとメシに行かせてもらい、話す中から生きたネタやエピソードができたけど、今の芸人はみんなネットだけでネタを拾い、スマホの中で闘っている気がする。話したこともない芸人やタレントのことをネットニュースの情報でさもその人を知ってるようにエピソードトークするのが、僕はイヤなんです。
だから、このコーナーの「死ぬまでにやりたいこれだけのこと」は死ぬまでにSNSを一切やめるってことですかね(笑)。
劇場はお客さんがいて舞台があり芸人がいる。そこにネットにはないよさがありますから、東洋館の興行を楽しんでほしい。僕が死ぬまで東洋館がずっと満員であることが、一番のやりたいことですかね。
(聞き手=松野大介)
▽塙宣之(はなわ・のぶゆき) 1978年3月、千葉県出身。2000年に土屋伸之と漫才コンビ「ナイツ」結成。M-1グランプリなどでブレーク後、テレビやラジオで活躍。昨年6月に漫才協会の7代目会長に就任。映画「漫才協会 THE MOVIE 舞台の上の懲りない面々」は200人以上が在籍する漫才協会のヒューマンドキュメンタリー。全国で公開中。