五木ひろしさんが西川きよし師匠と漫才を大熱演! 演歌の帝王は本職以外でも超一流だった
本番前、舞台袖で「もう一回(ネタを)合わせますか?」というきよし師匠に五木さんは真顔で「いえ、今のいい感触が残ったまま行った方がいいと思います」「緊張してんのんちゃいまっか?」「してますよ、そりゃ! 初めて漫才するんですから。でもお客さまの前でやる以上は真剣勝負ですから」「さすが五木ひろし! ええこと言う! ほな行きまっせ!」「行きましょう!」と背中に緊張感を漂わせて舞台へ。
ネタが始まると、アドリブを繰り出すきよし師匠を見事に受けて返し、今度は五木さんがアドリブを加え、5分の予定が10分を超える大熱演。爆笑の連続で舞台を降りてきたお2人は、「西川さんアドリブがすごいんだから! そんなのネタになかったぞ~ってびっくりしましたよ!」「五木さんなら何を振っても返さはると思たから。返すどころかアドリブ言うてくんねんから、さすがやわ! 自分(本多君)も思たやろ?」「凄かったです!」。かくして“きよし・ひろし”が誕生し、その後も台本を書かせていただきました。
本職以外での仕事への真摯な取り組み、その完成度、スタッフへのきめ細かい心配りなど、演歌の帝王はどれをとっても超一流でした。