著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

五木ひろしさんが西川きよし師匠と漫才を大熱演! 演歌の帝王は本職以外でも超一流だった

公開日: 更新日:

 お会いしたのは30年近く前でしょうか。西川きよし師匠が司会の番組の中で、ゲストときよし師匠が5分程度のミニ漫才を披露する人気コーナーに五木さんが出ることになったのです。

 この時代は「5分」がミニ漫才と呼ばれた頃で、4分で日本一を決める現在とは時間の感覚が違っていたのです。先輩作家と週替わりで書いていましたが、5週目以降は「もうみな(全部)本多君が書きー。ギャラ俺がもろとくさかい」と言われ、本来なら「ギャラだけとるんかえ!」とかツッコむべきでしたが、うれしさが先立ち、ツッコミを忘れつつ、五木さんの仕事も喜んで書いていました。

 ご本人と事前の打ち合わせができなかったので「全日本歌謡選手権」で10週勝ち抜いて“五木ひろし”になる前と後を調べに図書館に行って資料をコピーしたり、話し方のクセや特徴をつかむために五木さんの番組を片っぱしから録画して見直しました。

 そして迎えた収録の日、きよし師匠に連れられて五木さんの楽屋へご挨拶に伺うと「面白い台本ありがとうございました。正直どんな台本が来るんだろうってちょっと不安だったんですよ。それが読んでみたらスラスラ。一度もお会いしたことがないのによく僕の特徴をつかんでますね~!僕の言いそうな言葉やセリフだのの連続だから、すぐ覚えましたもん。やっぱりその道のプロは違いますね、本当にありがとうございました」と深々と頭を下げられました。するときよし師匠が、「何を言うたはりまんねん五木さん! 阪神巨人、いくよくるよ、全部彼が書いてるんですよ!今、日本で一番おもろいネタ書く漫才作家でっせ! なぁ~本多君!」と。思いもしなかったきよし師匠の言葉に「そんなそんな」と汗をかきながら頭を下げるだけでしたが、この言葉がこれから後の作家活動の励みと支えになっています。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  2. 2

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  3. 3

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  4. 4

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  1. 6

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑でCM動画削除が加速…聞こえてきたスポンサー関係者の冷静すぎる「本音」

  3. 8

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  4. 9

    綾瀬はるかは棚ぼた? 永野芽郁“失脚”でCM美女たちのポスト女王争奪戦が勃発

  5. 10

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり