陣内智則くんの一言で、自分のふがいなさに涙した…彼には大きな借りがある
司会に、コメンテーターに舞台にとジャンルを問わずに活躍の場を広げている陣内くん。「任せておけば大丈夫」という安心感・安定感がスタッフサイドにあるのでしょう。それでいて、視聴者からは先日のお笑いタレント・永野くんに飛びかかったときのような「何をしだすかわからない」いい意味の“怖さ”も持ち合わせていて、実にいいポジションを確保しています。
その根底にあるのは一生懸命さ、仕事に対する真摯な姿勢でしょう。そして前回もふれましたが、周囲への気遣い、心配りができるので“敵”がいない。これはビジネスマンにとっても参考になることだと思います。
そんな彼に私は取り返しのつかない大きな借りがあります。2016年に桂文珍師匠が東京の神保町の劇場(現・漫才劇場)で落語を芝居化した「立体落語」をプロデュースし、5本の芝居を上演。文珍師匠から「任せるさかい本多はんの好きにして」と大役を仰せつかりました。
そのうちの1本が陣内くん主演で野性爆弾となだぎ武くんらが脇を固める、私としても一番楽しみにしていたものでした。先に4本を書き上げ、「さぁ陣内くんの台本にとりかかろう」と始めた頃から施設に入所していた父に脳腫瘍が見つかり、一刻も早く手術をしないといけない事態が発生し、手術の打ち合わせや準備で台本を書こうとしていた時間が根こそぎ持っていかれてしまいました。作家としてはそんなことは関係なく、当然台本を書かなくてはいけないのですが、私の世界観で書いてきているので、他の作家に代筆を頼むわけにもいかず、打ち合わせの日を迎えました。