米大統領選「ハリスの楽勝はないのか」を考えてみた…バイデンが巧妙なアシスト
「もしトラ」が「確トラ」に──。日本の多くのメディアはバイデンが大統領選から撤退した日の朝、そう報じた。
トランプが銃撃された直後、星条旗を背景に血を流しながら拳を突き上げたトランプの姿を捉えたAP通信の写真は、クリント・イーストウッドが映画「父親たちの星条旗」で描いた「硫黄島に掲げられた星条旗」(ピュリツァー賞)に構図がよく似ている。
「2枚の写真を頭の中で重ね合わせて、トランプ氏に『流血の勝利』をイメージした米国人が少なくなかったであろうことは想像に難くない」(佐藤卓己上智大学教授=朝日新聞デジタル7月21日)
昔、アメリカ人の理想の男性像はジョン・ウェインだった。強さはもちろんだが、強烈な愛国者だった。レーガン元大統領は在任中に狙撃されたが、シークレットサービスのとっさの機転のおかげで、一命をとりとめ、強い大統領として国民に愛された。その列にトランプが再び連なるのだろうか。
私はそうは思っていない。カマラ・ハリス(59)に勝機十分ありと考える。といっても英語もできず、アメリカ政界に知己がいるわけでもないから床屋政談の域を出ないが、長年の編集者の“カン”とでもいえばいいのか。バイデンは確かに老いてもうろくした。だが、彼の「トランプ憎し」は本物である。彼なりに引き際をいつにするかを考え抜いたのであろう。あまり早く撤退表明すれば、民主党内から立候補する人間が出てくるかもしれない。