猫ひろしさんが振り返る カンボジア代表で2016年リオ五輪男子マラソン出場の経緯と感激

公開日: 更新日:

リタイアがたくさん出た荒れたレース

 五輪の男子マラソンの日は雨。スタートラインの最前列はタイムのいい選手をスタッフさんが並ばせますが、2列目からは早く着替えて並んだ順だとカンボジア女子選手から聞いたので、僕は急いで着替えました(笑)。世界のトップランナーと比べて足が遅い僕がテレビに映るならスタートしかないから。

 雨だし、暑いし、リタイアがたくさん出た荒れたレースでした。足裏にマメができるし、最後の方は雨がやんで、気温が上がって熱中症になってきてフラフラ。カンボジアの女子選手も残念ながら最下位だったので「男女ともビリかあ」と思ったら、結果はビリから2番目でした。

 街なかにある道路のゴールを走りきった時、賑やかな音楽がかかっていたので踊ったんですよ。そしたら、周りのギャラリーからカンボジアコールが起き、海外のリポーターに囲まれて「走った後になんでダンスできるんだ?」と質問攻めにされました。翌日の新聞では「メダルに関係なく盛り上げた選手」の一人に選ばれてました。芸人として「やったぞ!」と思えた瞬間です(笑)。

 カンボジアに戻ると選手たちがゴールのオンエアを見てくれて「小さい国カンボジアを広めてくれてありがとう!」と言われました。カンボジアに初めて猫の恩返しができたなと思いました。

 1枚目の写真は先月行われたプノンペン国際ハーフマラソンで3位になったレース。もう代表にはなれませんが、毎年カンボジアでの大会には出続けます。やりたいことはカンボジアでのマラソン指導。それから早朝に放送されている青汁などの健康CMに、おじいちゃんになってからも変わらず「猫魂Tシャツ」で出たいです(笑)。

 カンボジアと猫ひろしをよろしくです!

(聞き手=松野大介)

▽猫ひろし(ねこ・ひろし) 1977年8月、千葉県市原市生まれ。2003年からワハハ本舗所属。11年にカンボジア国籍を取得。16年リオデジャネイロ五輪男子マラソンにカンボジア代表で出場した。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末