TBSアナから美術家に転身! 伊東楓さんの個展に突撃「絵は売りたくないというのが本音(笑)」
結婚は「いい人がいれば」
思いきって人生設計について尋ねてみると、意外な言葉が返ってきた。
「結婚ですか? まだ考えていません。年齢に縛られず、いい人がいればすればいいかな、と。日本では『白黒つける』『早く決断する』ことが美徳とされている面もありますが、今の生活もしかり、どんなことにもいつか『最後』が必ず訪れて、決断する時が来る。それまでの余白というか、白か黒か曖昧なグラデーションの期間をどう過ごすか、何を感じるか、それを大切にしたいです」
今回の個展を通して伝えたいことのひとつも、「余白(グラデーション)を認めること」。おのおのが自身の余白を受け入れることで他者に寛容になり、より尊重できるようになるはずだという。
話を聞いてから改めて作品を眺めると、動物の表情は一層優しげに見え、植物と輪郭が曖昧に混ざり合ったグラデーションからも不思議と意図が伝わるような気がした。
個展の開催は今月6日(日)まで。同期間、ひとつ上の7階では「第36回 東西有名寿司と全国うまいもの大会」が開かれていて、「日本酒バー」では伊東さんと富山県酒造組合がコラボした復興支援ボトルを味わえる。
会場では、運が良ければ伊東さんにも会えるかも──。
(取材・文=杉田帆崇/日刊ゲンダイ)