杉咲花は「光と影の女優」だ どちらにも繊細な陰影を付けて演じ分ける
「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)
今秋の日曜劇場は、10月20日スタートの神木隆之介主演「海に眠るダイヤモンド」(TBS系/毎週日曜21時~)が放送される。通称・軍艦島として知られている長崎県・端島を舞台に過去と現代の2パートで構成されたこのドラマでは、ヒロインを杉咲花が演じる。若手女優ではほかに池田エライザ、土屋太鳳、安斉星来、朝ドラ「虎に翼」でも注目を集めた片岡凜も出演する。
杉咲が演じる朝子は、端島にある実家の「銀座食堂」で働く看板娘。明るくけなげな、しっかりもので、幼なじみでもある主人公に思いを寄せているが、気持ちを伝えることができない。ドラマ史に残る看板娘が生まれることを期待したい。
1997年10月2日生まれ、東京都出身。子役出身で、2016年公開の映画「湯を沸かすほどの熱い愛」で宮沢りえの娘役を演じ、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞に輝いた(新人俳優賞とダブル受賞という快挙)。2020年にはNHK連続テレビ小説「おちょやん」でヒロインを演じた。
「真珠の耳飾りの少女」などを描いた画家のフェルメールは「光の魔術師」と呼ばれているが、杉咲花も演じる人物が秘める光と影の部分を繊細な陰影を付けて演じ分けるのがうまく、「光と影の女優」と呼びたい。