「おっさんずラブ」が火つけ役 LGBTドラマ隆盛のウラ事情
「ゲイに関しては、マツコ・デラックスらオネエタレント出演のバラエティー番組などエンタメの世界ではいて当たり前のキャラクターになっている。差別や偏見もあるなか、カミングアウトして自分らしく生きる姿が若者世代に受け入れられ、かっこよく見えるのかも知れません。LGBTをテーマにしたドラマがはやる背景には、それだけ生きづらさを感じている人が多いという指摘もあります」
となると、このブーム、今後も続きそうだが、当のLGBTの皆さんはどう見ているのか。
「マイノリティーが差別されて世間から後ろ指をさされる時代からすれば、いい時代と言えるかもしれない。ただ、LGBTといっても、きれいなゲイばかりでレズやバイ、トランスジェンダーはほぼスルーだし、描かれ方も漫画的というか、紋切り型。米アカデミー賞でオスカー受賞作の『ムーンライト』とか、往年の『ベニスに死す』のような名作をと望むのは難しいのかも」(新宿二丁目関係者)
ドラマ制作の観点からは、こんな声も。
「ストーリーとほとんど関係ないのに、おっぱいを出した女の裸を登場させるような自由さは遠い昔。最近では喫煙もNGで、酒で酔っぱらうようなシーンも難しくなっている。ドラマはフィクションだからこその自由があったのに、今ではやくざも情婦もテキヤも出しにくい。そんなご時世の中、LGBTをテーマにした企画は通りやすいし規制が少ないから表現の自由度が高いと言えます」(前出の放送作家)
作品を通してマイノリティーに光が当たり、差別や偏見がなくなるのは良い傾向だが、ブームに乗っかり、猫も杓子もLGBTモノばかりでは目の肥えた視聴者からすぐに見放されるだろう。