吉本騒動の核心…当初から裏でチラついていた公取委の影
吉本興業が芸人との契約を口頭で行っているのは「問題がある」――。公正取引委員会の有識者会議がこう指摘したが、一連の吉本騒動では当初から公取委の影がちらついていた。
宮迫博之、田村亮が涙の釈明会見をした3日前、公取委はジャニーズ事務所に「元SMAPの稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾を出演させないようテレビ局に圧力をかけた疑いがある」と注意した。
大手芸能事務所をやめたり、トップに逆らったりすると、テレビ番組からお呼びがかからなくなるというのは、芸能界で当たり前になっていて、世間もやっぱりそうだったのかと呆れたが、慌てたのはジャニーズ事務所だけではなかった。吉本も言うことを聞かない芸人をさんざん干してきた。
公取委はこうした実態の調査を2年前から始めていて、去年2月には芸能人などの契約のあり方について、移籍を制限するなどの「取引妨害」の恐れが見られるという報告書をまとめた。
「ところが、芸能事務所もテレビ局も、まったく無視したんです。公取委にしてみれば、なめんじゃないぞというわけで、今年春ごろから関係者の聴取を進めていました。公取委の動きはタレントや芸人たちにも伝わっていたでしょう。宮迫・田村を一方的に悪者にする吉本の処分をきっかけに、加藤浩次らが『辞める!』と啖呵が切れたのも、もう泣き寝入りの時代じゃないと感じているからでしょう」(テレビ番組制作会社幹部)