(6)「パンツを脱いできなさい」デビュー当時の志穂美悦子に指示したワケ
深作監督は一も二もなく大賛成。私の活動を全面的に支援してくれると共に、育った俳優を自分の作品で使ってくれることも約束してくれた。
こうして設立されたJACを、私はスタントマン養成所にするつもりはなかった。教えたのはアクションだけではない。なぜなら、アクションとは肉体の言葉であり、演技そのものだからだ。
私だけでなく、深作監督も「演技とは肉体の言語を駆使することだ」と繰り返し語っていた。
「芝居は顔の表情だけでするものじゃない。五体、つまり、頭、首、胸、手、足という5つの肉体の部分を使って感情を表現することなんだよ」
幸いJACの名は広く知られるようになり、入会希望者は多いときには年間1万人を超えた。
ここから真田広之、志穂美悦子、堤真一、伊原剛志ら多くの俳優が育った。
実は、密かに私の後継者としてJACの未来を託そうと考えていたのが志穂美悦子だった。とにかく素直な性格がいい。努力家で、天真爛漫。危険なアクションをこなす抜群の運動能力もある。